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「影響の公平性」というのは、生活への影響が一部の住戸に集中的に生じるか、全員に同じように発生するのかということです。
とくに耐震改修工事の場合は、低層部や端側などの住戸に影響が出ることが多いため、注意が必要です。
「資産価値の維持」というのは建替えと修繕との結果、それぞれ資産価値がどのような影響を受けるか、ということです。
通常は、建替えにより新しいマンションになる場合は資産価値の大幅な向上が認められるでしょう。
修繕による場合でも資産価値の向上につながるように周囲との環境やデザインに配慮することも必要です。
以上あげた5つだけが「建替えか修繕か」を判断するすべての視点では決してありません。
それぞれのマンションにより、比較する視点やそれぞれの重み付けは異なるはずです。
また、それぞれは必ずしも独立したものではなく、総合的な判断が不可欠です。
「修繕が可能な限り、建替えは行うべきでない」といった意見を聞くことがあります。
確かに資源問題や環境問題を考えると、この考え方にも共感すべき点は少なくありません。
いたずらに「スクラップ&ピルド」を推奨するのも考えものだと思います。
やはり慎重に判断しなければいけないと思います。
事実、区分所有法に定める建替え決議についても、改正前は区分所有者の5分の4以上(議決権と頭数各々の5分の4に注意)の賛成のほかに「建物の老朽化」や「修繕する場合には建替えより余計に費用負担がかかること」、言い換えれば修繕より建て替えたほうが経済的だという条件を充たすことが建替え決議の成立には必要でした。
これはいってみれば、国が建替えの判断について基準を設けていたということです。
しかし、「老朽化している」「過分の費用が必要だ」ということをだれがどのように判断したらよいのでしょうか。
これらの判断は個人の価値観によって大きく異なり、定まった基準はないはずです。
屋上マンションの建替え実際の事例でも、建替え決議が成立した後に、建替えの賛成者と反対者の間で、この点の解釈をめぐって裁判上の争いになることが多く、建替え決議が成立しても、一人でも反対者がいると建替え事業に着手できないという状況になりました。
これでは一人でも反対者がいたら裁判になって建替え事業を行うことなど実質的に不可能です。
事実、長い間、この区分所有法の規定による建替え決議を用いた建替えの事例というものはほとんどありませんでした。
そして、2002年にようやく区分所有法の建替え決議の規定が改正され、建物の老朽化などの客観的条件とは関係なく、区分所有者の5分の4の賛成があれば、建替え決議が成立することになったのです。
その結果、ようやく建替えの必要性は区分所有者自身の判断に委ねられることになり、その後は次々に法定建替え決議を用いた建替え事業が行われるようになりました。
このような改正について賛否はあると思いますが、これまでのように裁判を恐れて最初から建替えの道を放棄するのではなく、区分所有者が自らの意思に従って実質的に進むべき道が選択できるよう修繕では対応できないことが、建替えの条件だという考え方、決めつけは間違っていると思います。
仮に修繕での対応が可能でも、今建て替えたほうが有利だという結論を管理組合が得たのならば、速やかに建て替えることに何も障害はありません。
現に私の担当している、都心にある築幻年ほどのマンションは、もともと事情があって建築可能な容積を使い切らずに建てられていました。
数年ほど前から、大規模修繕を行うか、建替えを行うかの検討を始め、推進決議でほぼ全員に近い方が建替えを選択されました。
これを受けて隣接地を取得し、より有利な条件で建替え計画を検討することに国!合昭和30-40年代に建てられた団地などは、各階2戸ごとに階段室を設けた構造のものが多く、エレベーターを新たに設置するのは難しく、また多大な費用がかかるとされる。
なりました。
半年後には建替え決議を行う予定です。
修繕か、建替えか。
その判断は最終的には区分所有者一人ひとりの判断に委ねられるべき問題です。
いつ頃開始すべきか建替えの必要性がまだないマンションでも築初年を過ぎたら、建替えの可能性を検討しておくのが望ましいということをこの章の冒頭で述べました。
これまで建替えを実現したマンションの事例を見ると、ちょうど一般的には十数年の周期で実施する2回目の大規模修繕後、しばらくしてから建替えの検討を開始する例が多かったようです。
すでに建替えを実現しているマンションや団地の事例はほとんどが昭和初年代から50年代にかけて建設されたものです。
住戸面積が狭い、エレベーターがない、耐震性能や防犯などの安全面に不安がある、など現在の住宅の基本水準からすると、大きな問題をもっていました。
そのような背景があったからこそ、築10年目に当たる3回目の大規模修繕時期に、果たして大規模修繕で対応するのか、それとも思い切って建て替えたほうがいいのか、建替えの可能性を検討しておこうという考えがあったのだと思います。
これに対して、昭和中頃に建設、分譲されたマンションで、それ以前に建てられたマンションに比較すれば、耐震性能は強化されており、エレベーターも備えられているものがほとんどですから、すぐにでも建て替えなければならないという必要性はそれほど高くないでしょう。
したがって、昭和印年代中頃以降に建築されたマンションでは、建替えを視野に入れた検討を本格的に開始するのは3回目の大規模修繕の時期でも十分だと思います。
大切なことは、それまでに定期的な修繕を計画的に実施し、躯体や設備の劣化をこの段階で十分に予防しておくことなのです。
これまで述べてきたように、建替えの検討を開始する時期については、それぞれのマンションが建設された時期や耐震性、居住者の満足度などを総合的に判断して決めるべきことですが、それよりも前の段階で自分たちのマンションの建替えの可能性を検証しておくこと(建替え診断)も決して無駄ではありません。
「建替え診断」では建築規制の内容や敷地の条件、容積の余剰そして立地のポテンシャルなどを前提条件として、建替える場合の個人の負担がどの程度になるかを検証します。
ただし、このような建替え診断には、専門家による簡単な設計作業と事業性についての検討作業が必要であり、二戸当たり5万円から50万円くらいの費用を見込んでおくことが必要ですので注意してください。
建替え診断の結果、仮に大きな費用負担なしに建替えが可能だという結果が出たのならば、長期的に建替えを視野に入れた修繕計画をたて、修繕に要する費用は最小限にとどめるという選択が可能となります。
反対に建替えは難しいことが明らかになったのならば、長期修繕計画を立て直し、修繕改修を本格的に実施して、できるだけ今のマンションに住み続けられるような準備を計画的に行うことが必要になります。
あなたのマンションの建替え判断チェツクシート該当する項目が多く怒るほど、建替えの可能性と必要性が高くなります。
建替えの必要性に関して口建物の老朽化が進んでいる建物の躯体部分での老朽化が進み、修繕だけでは抜本的な機能の回復が図れないことなどの事情があれば、建替えの検討の必要性が高いといえます。
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